サラダ油とは精製された植物油の総称で、菜種、綿実、大豆、ごま、サフラワー(紅花)、ひまわり、とうもろこし、米(米ぬか)、落花生などから注出した9種類を指します。

サラダ油のリノール酸という成分は私たちに必要な栄養素です。

この私たちが摂らなければならない油の中でも身体から作られない重要な脂肪酸を必須脂肪酸といって、血中のコレステロールを下げる働きがあります。

しかし、このリノール酸は加熱するとヒドロキシノネナールという神経毒に変化して、脳を萎縮させるといいます。

そして、もの忘れやアルツハイマー病、うつ病になる可能性があるとの報告があります。

リノール酸を過剰に摂取し続けることによって、脳梗塞、心筋梗塞、癌になりやすくなり、アレルギー体質などを引き起こす原因ともなるのです。

また、サラダ油にはトランス脂肪酸という成分が含まれており、摂取し続けることによって狭心症や心筋梗塞などの冠動脈性心疾患(CHD)になってしまうとの可能性があるといいます。

賞味期限が切れていたり、使いまわした古い油にはトランス脂肪酸が多く保有されています。

さらに、酸化した油はトランス脂肪酸より害が大きいので注意が必要です。

変な色や匂いがしたら酸化していますので、使わずに処分してしまいましょう。

サラダ油とともにキャノーラ油が今多く出回っています。これは菜種油のひとつで、キャノーラというアブラナ科の植物を原料とした油です。

キャノーラ油はカナダで開発されて付けられた名前なので、菜種油とは厳密には同じではありませんが、基本的にはサラダ油と同じ危険性を持っています。

トランス脂肪酸を保有していますし、リノール酸も含まれています。

キャノーラ油は加熱調理に使用することが多いので、リノール酸がヒドロキシノネナールになりやすいです。

サラダ油とは、サラダ用ドレッシングに使用されることを前提とした食用油です。低温下でも凝固しない食用油でもあります。

サラダなど、比較的低温で食べるものに油を使い結晶化してしまうと、食感に特有のざらつきがでてきてしまいます。

それを防ぐために、低温で固化した成分を分離して、低温でも凝固しない油にしています。

日本農林規格(JAS規格)では0°cの環境で5.5時間放置しても濁らない事がサラダ油の条件とされています。

しかし、サラダ油は水素添加されたものですので、化学合成の化学物質は体内では分解できません。決して揚げ物にも食用として使用しないようにしましょう。

山嶋氏は著書の中で使って良い油は、こめ油とごま油だけといっています。

こめ油とごま油を勧める理由は、他の油と比べてリノール酸の含有量が比較的少ないから。他のサラダ油には問題のリノール酸が多く含まれていたり、製造工程に懸念材料があるとのことです。

リノール酸は加熱で酸化されると毒素を作りやすく、こめ油にはγオリザノール、ごま油にはセサミンといった抗酸化成分が含まれているため、毒素の生成を抑えることができるのだそうです。

こめ油もごま油もリノール酸の含有量が30%以上あるので、毒素の発生を防ぐために、こめ油はヘキサンなどの石油系溶剤を使わずに抽出された高温処理が最小限(スチームリファイニング)のものを選ぶべきと山嶋氏は言っています。ごま油は、焙煎していない生しぼりがベストだそうです。

リノール酸の含有量が10%以下で、酸化を防ぐポリフェノールが豊富なオリーブオイルは、からだに大変に良いものですが、圧搾抽出したエキストラバージンオリーブオイルだけが安心して摂取できるものです。

安価なものは粗悪なオリーブオイルが多く、収穫してから長期間倉庫で保存したものを使って高温で加熱処理しているといいます。

オリーブの実は、枝からもぐと同時に酸化が始まります。オイルにしてしまえば酸化はあまり進みませんが、良いオリーブオイルは価格がポイントで、1ccあたり10円程度の昔ながらの製法のものが良いといいます。

山嶋哲盛氏の最新著書『「サラダ油」をやめれば脳がボケずに血管も詰まらない!』