②食生活の偏りや間違い 蛋白質(必須アミノ酸)の摂取不足、必須ミネラルの不足、αリノレン酸の不足、動物性脂肪の摂取過多、

過酸化脂質及びアクリルアミドの害

フライなどの揚げ物は、百数十度になるまで加熱を続けている油の中で、食材を加熱する料理です。

その料理は2つの害をもたらしますが、ひとつは過酸化脂質です。二つ目は、パン粉などの衣をつけて揚げるため、それに油が滲み込んで油の摂り過ぎや油の質の問題です。

百数十度という高温で加熱を続けた油は、酸化して一部が有害物質の過酸化脂質に変わります。過酸化脂質は、体内に入ると細胞膜を傷つけますから、体は全身の細胞を守るために、ビタミンC、E、グルタチオンなどの抗酸化物質を配備していますが、過酸化脂質が増えれば増えるほど、それらの抗酸化物質は減ることになりますし、守りきれなかった細胞は細胞膜が傷つくことになります。それは動脈硬化の原因をつくりますし、発がん物質が存在していた場合はがん化のきっかけをつくり、全身の健康レベルを低下させます。

油を空気中に長時間置いておいても、日光にさらしても、加熱しても過酸化脂質ができますが、過熱時間が長くなるほど、また高温になるほど量が増加します。

肉や魚など、脂肪を含んでいる食品を高温で揚げますと、揚げている油からだけでなく、肉や魚の脂肪からも過酸化脂質が生まれます。

では、脂肪をあまり含んでいない食品を揚げたらどうなるかといいますと、じゃがいもなどでんぷんを多く含んでいる食品の場合は、アクリルアミドという発がん性の疑いがもたれている有害物質が生れます。

生成されるアクリルアミドの量は、過酸化脂質に比べてけた違いに少ないので、健康上の脅威にならないとする専門家もいますが、油の温度が高くなると生成量が急激に増加することがわかっています。

高温になるほど過酸化脂質に加えて、アクリルアミドが大幅に増加するのですが、厚生労働省の報告では、揚げ油の温度を10度下げると、アクリルアミドの生成量は半分以下に減るとしています。

人工脂肪酸、トランス型脂肪酸の害

トランス型脂肪酸は、植物油に水素を添加してマーガリンやショートニングをつくるときに生まれるものなので、マーガリンが出現する1911年以前の摂取量はほとんどゼロでした。

自然界にはほとんど存在しないこの脂肪酸は、悪玉のLDLコレステロール値を高め、善玉のHDLコレステロール値を下げます。そして、血液中のコレステロールの数値を非常に悪くしてしまいます。

それだけでなく、心筋梗塞と脳卒中の引き金となるリスク・ファクターのリボプロテイン・スモールAの血中値を高めます。これだけ悪い働きを併せ持っている脂肪酸は、他には存在しません。

アラキドン酸とEPAのバランスがとれた食事にするには、肉を減らして魚を増やすことがまず第一です。

今、オメガ6油は非常に多く摂取されていて、甚だしいアンバランスになっていることは明らかですが、サラダに使う油を米油や亜麻仁油にすれば問題解決します。

そして、加熱調理には米油やゴマ油、オリーブ油を使い、リノール酸が高率に入ったオメガ6油は家庭では一切使わないようにすれば、オメガ6は外食と加工食品からしか入って来なくなるからです。

オリーブ油は高温や揚げ物には適しません。低温かそのまま使用するようにしましょう。

特に米油は昔から駄菓子などに使われてきましたが、抗酸化力が強く上げた後でも酸化しにくいのでお薦めです。